呪いに囚われているあなたへ贈る「春の呪い」死んだ人の想いを知ることはできない

小西明日翔が描く漫画「春の呪い」は
2021年春に髙橋ひかる主演でドラマ化され注目を集めている作品。
2017年には「このマンガがすごい!」オンナ編で2位に選ばれています。

主人公の夏美と、妹の春。
そして春の恋人である柊冬吾の三角関係を描いた話ですが、
物語は春が病気で亡くなった所から始まります。

亡くなった妹が心から愛していた恋人 冬吾と関係を持ってしまい罪悪感で苦しむ夏美。
そんな夏美と冬吾の物語は呪いがテーマとなっています。

今自分を縛っているもの
例えば家族の問題や立場、誰かに言われた言葉
そんな呪いに囚われている人に「春の呪い」を処方します。


※漫画をおすすめする上での若干のネタバレが含まれる可能性がございます。

「春の呪い」のあらすじ

出典:春の呪い一巻より

夏美と、は仲の悪い両親の元で育った仲の良い姉妹だった。
幼い頃から両親が不仲なこともあり、お互いを特別な存在と想いながら育っていく。
両親が離婚し、父親と共に暮らすふたりだが父親が再婚したことで余計に親との距離を感じ
姉 夏美はその時、妹の春と共にいつか2人で家を出て二人暮らしをすることを目標にして生活するようになる。

そんなふたりが10代後半の頃、親の古い繋がりがきっかけでお見合いすることに。
ふたりの元に連れてこられた財閥の三男、柊冬吾だった。

いかにもお嬢さんで、子供が好きそうで穏やかそうな春が冬吾の親に気に入られ、
そのことがきっかけで春と冬吾は婚約者として付き合いを始めることになる。

付き合っていく中でどんどん、冬吾の事が好きになっていく春。
一方、冬吾にのめり込んでいく妹の春を見て、妹を奪う存在として冬吾を憎ましく思っている夏美。
病状が悪化し、亡くなってしまった春が最後に呟いた言葉は何よりも妹を思っていた夏美のことではなく冬吾の名前だった。

妹のお通夜の後、妹の代わりに婚約者として付き合って欲しいと冬吾から伝えられた夏美は
憎しみと混乱の中「妹と行った場所全てに連れて行くこと」を条件にその申し出を飲むことに。

「春の呪い」は罪悪感を抱きながらデートを重ねることになった夏美と冬吾の物語です。

魅力的な登場人物たち

出典:春の呪い一巻より

作者である小西明日翔さんは、魅力的な人物を描く天才だと思っています。
まず主人公である夏美。
妹に執着する姉。と聞くと暗い人物を想像してしまいますが
妙に明るく、細かい事は気にしないカラッとした性格です。

不仲な両親の元で育ったがゆえなのかもしれませんが、
突拍子もないことをしたり、食べることばかり考えていたり
バイト先で売り上げ一位になりもらった賞品を憎んでいる妹の彼氏にもサラッと渡したり
と、不思議な行動が多い彼女。
その明るさと、少しずれている感覚に妙に惹きつけられてしまいます。

一方、財閥の息子である冬吾も、ただのお金持ちのボンボンという感じではありません。
イケメンでお金持ちなんて、漫画界だと同じような描かれ方をされてしまいますが、
お金持ちだけど金銭感覚も一般人レベル(親が教育費以外は自分で稼げの方針)
コンビニも行くし、バッティングセンターも行く。
ただしファーストフードは食べたことない、祭りも興味がない、りんご飴を初めて見る。
みたいな。
妹が死んだから、姉に乗り換えた男、と聞くとすごく嫌な印象を持たれるものですが
淡々としますが、生態がもっと知りたくなる存在。
こちらも非常に魅了的なんです。

呪いは生きている限り本当にあるのかどうかもわからない

出典:春の呪い二巻より

妹が愛した冬吾と付き合うことや、その罪悪感に苦しむ夏美。
妹に会いたい気持ちと、妹の彼氏と付き合っている事実に苦しみ何度も死にたい、という衝動にかられてしまいます。

そして、実は妹 春と付き合っている時から冬吾は夏美に惹かれていました。
その気持ちを知ってしまった夏美は、
その後、春も冬吾が夏美に惹かれているということに気づいていたということを知ってしまいます。

他の何よりも妹を愛し、妹と生きることを生きがいにしていた夏美ですが
妹は自分よりも冬吾を何よりも愛していたこと。
夏美を道連れにしてでも、冬吾と夏美を引き離したい。
姉ではなく冬吾には生きて幸せになって欲しい。
と春が思っていたことを本人の日記から知りますます苦しみます。

そんな中、自分も冬吾に惹かれていることを自覚した夏美。
春は死んでいる。
でも春の想いが呪いとなり夏美は身動きが取れなくなってしまいます。

一方、良家の息子の冬吾は親の引いたレールの上を歩む人生を呪いと感じていました。
親の会社に就職して仕事をしている間は疑問を持たずに生活できていたけど
好きな人が出来た事、
そしてその好きな人である夏美との交際を母親に否定されていることで、親の引いたレールを歩かされることを初めて呪いとして感じてしまったのです。

そんな中、ふたりは呪いから開放されることを選びます。
親からの呪いは今後生活していく中で感じていくかもしれません。
ですがそれを自分の意思で振り払うことはできます。
そして死んだ人から掛けられた呪いは、生きている限りそれが呪いなのかどうかもわかることはない。
思い込んでいるのは自分自身かもしれない。
そう気付き夏美は自分を呪いから解放していくのです。


現実でも呪いによって不自由さを感じることあります。
でも、しっかりとその呪いと向き合ってみると、それは自分自身が勝手に呪いと思い込んでいただけ。
ということもあるかもしれません。
呪いに負けてしまいそうな時にぜひ読んで欲しい一冊です。

「春の呪い」は二巻で完結するので
ふと空いた時間で読み切ることができる作品を探している人にもおすすめです。

暗いテーマですが、魅力的な登場人物のおかげで
明るい気持ちで読み切ることができる「春の呪い」は
気分が落ち込んでいる時にもぴったりですよ。

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漫画セラピー

日々の生活の中でしんどい事があったり、やる気が出ない時はいつだって漫画に助けられてきました。
モヤモヤを抱えている人に少しでも楽しい気持ちになって欲しい。
年間1000冊以上漫画を読むKurumiが漫画を処方します。